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(アヤちゃんに教えてもらったんやもん、きっと大丈夫…っ!)
勉強が苦手、というわけでもなく得意というわけでもないのだが、今回のテストには余程自信があるらしい。各階に張り出されている結果表までやってきた紅葉は、疑いもなく1位から順に見ていった。
【1位、神崎菖蒲】
「っ…!(ぇ、え…っ)!?」
「……いつも、の…こと…」
──ズシッ
(ひにゃっ!っ…は、ハーちゃん?)
急に声がし、重くなった体に紅葉は肩をビクッと反応させた。いつの間にやら蓮見がやってきて、背中にへばりついてるではないか。
…が、それよりも蓮見のいったことの方に驚きを隠せずに、菖蒲を大きな瞳で見つめた。
「ぁ…っと、まぁ、首席…だからね」
「(ほわぁ…っ)」
(あぁあ、そんな綺麗な目で見つめないでよ…っ)
(あ、アヤちゃんってやっぱ凄いんや…っ!)
菖蒲からすれば、医者を目指しているのだし勉強することは当然のことだ。それにこの学園はあくまでも進学校。みなそれぞれの勉強をしていて珍しくはないのだが、紅葉からすれば尊敬の域を越えるほど凄いことなのだ。
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