[携帯モード] [URL送信]

 重箱の一段目にはサンドイッチと大小のおにぎり、二段目には色とりどりのおかずが入っている。パンもご飯も、タコさんウインナーも卵焼きも食べたいといった紅葉の願いを、全部詰め込まれた最高のお弁当だ。


「わっ…わ、おいしそ…らねっ」

「そか?ほれ、これで手ぇ拭きぃ」

「ん、ふきふきっ♪」

「おー偉いで紅葉。好きなもん食えやー」

「たまごのパン、たべるのっ」


 綺麗に手を拭いて、両手でパンを掴む。四角く切られた食べやすいサイズのそれを、紅葉は小さな口でパクリと食べた。もきゅもきゅと必死に口を動かす姿が可愛らしい。


「んぅ、う、うまひっよ!」

「そかそかー…ってちゃう!美味しい、や」

「……おいひ?」

「っ…このまま育ってもうたらどないしよ…」


 くりっとした大きな目に、ぷにぷにほっぺ。まだ6歳なのだからといわれればそれまでなのだが、どうも女の子のように見えてしまう。それでも…それでもきっと、どんな風に育っても可愛くて仕方ないんだろうけれど。




[*前へ][次へ#]

39/100ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!