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 それでも耳なりのように声はやむことなく、紅葉は改めて桐の凄さを知ったようだ。でも…、


(毎日毎日、嫌やないんかな…)


 耳をつんざく悲鳴のような声援。だからあんなに不機嫌そうなんじゃないか、紅葉は密かにそう思い、軽い同情の眼差しを桐に向けるのであった。


「……黙れ」

──ピタッ

(わぁ…凄い…)


「めんどくせぇことに俺様がまた生徒会長をやることになった。いいか、面倒だけは起こすんじゃねぇ」

「面倒だっていって普段からしないくせにねーっ」

「……あ゙?」

「やーん、一葉ー睨んできたぁ」

「もう、ほんとのことなんだから睨まないでよね。三葉をあんまり睨むようならその目、とっちゃうから」


 三葉の横に立ってプンプンと怒りを露わにする一葉。その可愛らしい姿から飛び出したとは思えない言葉に、そこにいた誰もが口をつむんだ。

 こうしてランキング発表も無事終わり、学園祭は夜の花火と共に終了した。


 紅葉がランキングに入ったことにより周りはどう変化していくのか。そして紅葉自身がどう変わっていくのか。…それはこれから少しずつ、様子を見ていこうじゃないか…。




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あきゅろす。
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