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 笑顔で近づいてきた椿に、紅葉は正面から抱きついたのだ。生徒の異様な視線がよほど怖かったのだろう。小さな体をプルプルと震わせ、ギューッと若葉にいつもしていたように。

 もちろんそのせいで余計悲鳴があがったし、椿は椿でまだアリス姿の紅葉を、鼻の下を伸ばして見下ろしている。菖蒲は容赦ない言葉を椿に突きつけ、…そして桐はどこか面白くなさそうにその光景を見つめていた。


「紅葉…怖くないよ、大丈夫」

──ソロ…ッ

「(ホンマ)?」

「うん、みんなに頭下げてこっちおいで」


 菖蒲にそういわれ、椿に半分隠れながらも紅葉は頭を下げた。本来ならここで一言挨拶をするのだが、紅葉だからしょうがない。椿はよく出来ました、と紅葉の頭を撫で、それに紅葉ははにかみながら菖蒲の横へ移動した。


「っちゅーことで1位は紅葉チャン、2位は菖蒲チャンや!色んな意見はあるやろうけど…手ぇ出したらアカンよ?ここにおるっちゅーことは次期生徒会役員決定や、分かっとるなー?」

『『っ…そんなぁ…』』

「んー俺からしたらみんなかわええで!気ィ落とさんようになー…っちゅーことで三葉チャーン」



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