[携帯モード] [URL送信]

 うるさーい!といわんばかりにクロちゃんを力ない手で叩く紅葉を、当の本人は笑ってたこ焼きに手を伸ばした。

 たくさん食べて大きくなれるなら食べてるのに。なんて心の中で文句をいいつつ、蓮見に引っ張られるまま蓮見の膝の上に座った。


「はははっ、永井と比べるとより小さく見えるな!」

「っ──!」

(く、クロちゃんなんて大っ嫌いやー!)


 体をプルプル震わせた紅葉は、焼きそばを手に保健室を飛び出していった。蓮見はクロちゃんを睨みつけながらそのあとを追い、菖蒲もお礼をいいながらあとを追う。


「……何か、したか…?」

「………」


 どうやら分かってないのはクロちゃんだけらしい。智春もメガネをクイッと直し、ちゃっかりとお昼を確保してクロちゃんを保健室から追い出した。

 今日も学園は平和である。







「もう…機嫌なおして?紅葉…」

(うぅ…かて、あんなに小さいとかいわなくてもええのに…っ)

「紅葉、可愛い。今…十分」

「そうだよ。それにこれから成長期がくるかもだし…」



[*前へ][次へ#]

7/100ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!