先生たちも休憩
小さくだが揺らされる手に菖蒲は少し驚いていたが、こちらもふふっと綺麗な笑顔を浮かべ、手を振りほどくことはなかった…。
◆
【腕、ダルいね】
自分たちの当番が終わり、真っ先に紅葉が打った言葉はこれだった。確かに2日間、一日中ではないにしろマッサージをし続けた腕はダルく重く、菖蒲も終わったことにホッとしていたところだ。
だからその言葉を受け、菖蒲は保健室にいって湿布をもらおうと提案した。紅葉もそれに頷き、今向かっているところだ。
「……あ、でも紅葉半袖だから…気にならない?」
「ぁ…っ、(うーん)」
自分の腕を見つめて、コテンと首を傾げて悩む。確かに目立つし、ヘタしたら臭いといわれるかも…。そう考えた紅葉は、集まるときは外すから、それまで休んでいたいと菖蒲に伝えた。
菖蒲もその案にのる。
──コンコン
「失礼します。湿布下さ…あれ、先生」
「おっ、神崎に椎名じゃないか!どうした、どこか具合悪いのか?」
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