4 「……ん?ちょお、ここケガしとるやん!」 「ぅ…?あっ、ぼくすごいのっ!」 「へ?」 「わかちゃ、みててっ」 「ちょちょ、何するん…っ」 ケガをしてきたのに、とても嬉しそうな顔をして床に手をついた。こんなとこでいきなり何をしでかすのか、危ないことじゃないのか。そう考えた若葉は慌てて止めに入ろうとした。 ……とき、 ──ゴロンッ 「………お、」 「えへへ、みた?ぼくね、で…で…ぐるんってできるようになったん!」 「っ…でんぐり返りまで出来るようになったんか!そら凄いわー紅葉っ」 「キャーハハッ、ぼく、すごい?」 「凄いで凄いでーっ!さすが紅葉やっ」 可愛らしく一回転した紅葉に駆け寄り、ぎゅーっと強く抱き締めて思いっきり誉めてあげる。どうやら手のケガはこれをしていて出来てしまったものらしく、若葉は勲章やな、といって褒め称えた。 (知らん間にこないなことまで出来るようなって…) 「ぅぷ…くるひっ、わかちゃんくさーいっ!」 「……臭いやとっ!?何ゆうとんねん、紅葉と同じシャンプーや!」 [*前へ][次へ#] [戻る] |