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互いに成長
「せや!そこでな、いろーんなこと覚えるんや。友達も作って、楽しいことようけしてきぃ」

「ぅ…わかちゃ、いる」

「それでもワイは、紅葉にようけ友達作ってほしいんやけどなぁ…」


 チラ、チラとわざとらしく紅葉に視線を送り、悲しそうな顔をする。そうすると紅葉は慌てたように若葉に近づいてきて、頑張るよといった。少々騙しているようで心苦しくもあるが、紅葉の幼稚園デビューは無事成功したようだ。







 幼稚園に通い出してもう2ヶ月がたとうとしている。紅葉はすっかり慣れたのか、今じゃ送っていくと1人先に中へ行ってしまうほどで、若葉は若干寂しさを感じていた。だが聞く話はどれも楽しそうなので安心だ。

 そして若葉は、今日も紅葉を送り届け、家事をしようと家に向かっていた。だが家の前で人がうろついているのに気づき、警戒しながら近寄ってみる。恐らくは山里組の者だろうが…。


「……おい、ウチに何の用や」

『椎名やな、組長がお呼びや』

「……へ?」

『早よ支度しぃ。こちとら10分も待っとんじゃ』

「は、はぁ…」


(10分が何やねんこの阿呆)



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あきゅろす。
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