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一葉たちに服を引っ張られ、蓮見は紅葉をソファーへおろした。だが目はまだ桐を睨みつけており、その迫力にはさすがの桐や椿でも怯んでしまう。
そんな中菖蒲は紅葉の前に跪き、優しく頭を撫でながらケガの確認をしだした。さすが医者を目指しているだけあり、表面だけでなく細部までしっかりと確認をしている。
「大体、なんで俺様のせいだっつーんだ」
「親、衛隊…だろーがっ」
「はっ、知るか。やけに今日は吠えるじゃねーか、永井」
「オレ、いなかったら…モミジは…っ!」
(ゃ…や、もうヤダ…!)
「紅葉…?ちょ、蓮見も桐先輩もやめて下さいっ。揉めるなら外へ出てって!」
「「……チッ」」
怒鳴り声を聞くのも、人に関わってツラい思いをするのも、すべてが嫌で。なんで自分なのかと紅葉は首を振った。現実から逃げるように首を振り、壊れてしまった携帯を強く握る。
「それ…ケー、タイ?」
「うっわ、真っ二つじゃん!」
「っ…!ふ、っ…」
「ちょ、三葉、言葉選んで」
「ご、ごめんね。でもほら、新しいの買えば…」
「(フルフル!)」
「何や、そないにそれがエエん?」
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