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紅葉は何をするんだと睨みつけるが、彼がそれで終わらせるはずがなかった。ニヤリと笑い、足をあげ、そして…
──バキィッ!
「っ──!!」
『あはははっ、いい気味!ねぇ、ヤっちゃってよ、このケータイみたいに壊しちゃって』
『ヒューやるねぇ』
「ぁ…っ、ぁ──!」
(やだ、若ちゃん…っ)
壊れた。
──…コ ワ サ レ タ 。
無惨にも真っ二つに折れたソレを見てしまった瞬間、紅葉の目からはポロポロと大粒の涙が溢れ出していた。必死に開いて閉じてを繰り返す口は何を叫んでいるのか、……声の出ないそれは何の訴えにもならず消えていく。
そんな姿をあざ笑うかのようにミカ様は高笑いをしながら教室を出て行き、そこには携帯のもとへ駆け出そうともがく紅葉と、下品な笑みを浮かべる男が3人、取り残されてしまった。
(いやっ、やだ、僕のケータイ…ッ!)
『あーあー可哀想になぁ』
『つか、泣き顔やべーんだけど』
『ああ、さっさとヤっちまおうぜ』
「っ…っ、!ふ…っ」
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