5
だがその後ろには先ほどの子と、やたら図体の大きい男が1人。ミカ様の方にも男が2人ついていて、逃げることの出来ない状態に陥ってしまった。
『何で呼ばれたか…分かってるでしょ?』
「っ…(フル、フル…)」
『はぁ!?長谷川様と食事までしておいて分からない?ふざけないでよっ!』
「(ビクッ)」
『まーまー、そうカッカすんなよ、ミカチャン?』
『気安く触らないでよ。ねぇ、この前僕がいったこと、分かんなかった?』
冷静になろうとしつつ、興奮してヒステリックになっているのが目に見えて分かる。馴れ馴れしく肩に手を回す男のそれを払い、まるで汚いものを見るような目で紅葉を見てきた。
それもそのはず。桐の親衛隊の中では、紅葉はいいように変換されているのだから。生徒会や蓮見たちに足を開き、性で虜にした、声の出ない可哀想な子を演じている淫乱……と。
「っ…?」
『長谷川様に近づかないでっ!』
「……(フルフル)」
(ムリ、やもんそれは…)
知り合ってしまった以上、もうそれは無理な話だ。向こうから近づいてくるし、紅葉だって別に避けるほど嫌いではない。
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!