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「……美味しい?」

「っ、(コクコク! ふにゃぁ…)」

「っ…かわ、い…」


 お肉のようにとろける笑顔。まさしく頬が落ちるといった感じに、これでもかというほど顔が緩んでいた。もう一口食べ、そしてまた悶えるように手足をバタバタさせる。


「ふふ、良かったね。それ、普通じゃなかなか頼めないもんね」

「たまに、は…役、たつな」

「あ゙?」


──クイクイ


「……んだ」

「(ニコーッ)」

「…俺様がおごってやったんだ、心して食っとけ」


 満面の笑みの紅葉に、鼻で笑って、それでもどこか上機嫌に返す。その言葉通り紅葉はゆっくり時間をかけ、よく味わいながら今日の夕食は終わりを迎えることになる…。







 隙はやはり、準備中だった。

 紅葉が生徒会室にいき、さらには桐と夕食を共にしたことはすぐ学園中に広がった。中には2人をお似合いだという人もいるが、大半は紅葉に嫉妬している輩だ。

 夕食を共にした日から菖蒲と…というより、蓮見の身辺警護は厳しくなった。



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あきゅろす。
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