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喧嘩をすればきっと蓮見が勝つだろう。だが、この学園で何よりも強いのは権力、会長という座だ。
「……イイシュミしてるくせにな」
「は…」
「いっちまうぜ?永井はかわい「黙れ!」…じゃ、睨むなバカが」
「……チッ」
(アヤメ、問い詰める…!)
(あれ、僕桐先輩にいったっけ…?)
まぁ、とりあえずこの場は収まったが。それからしばらくして各々の料理が運ばれてきた。中でも目立つのは、やはり紅葉が頼んだ『牛フィレ肉のステーキ 200g』だろうか。
A5ランクの松坂牛を使用しており、フォアグラや黒トリュフまで使われている。この学園のメニューでトップ5に入るもの。ちなみにお値段、ピッタシ3万円だ。
(ふわぁああ…っ…すごーい!)
「(いただきまーすっ)」
──パクッ
「っ…!っ…!!」
(何やこれ、メチャ美味しいーっ!)
歯を使わなくても切れるほど柔らかいお肉。舌の上に乗せれば油が溶けていくように旨味も口の中に広がり、あっという間になくなってしまう。
トリュフの匂いだろうか。鼻に通る香りもよく、紅葉は感激だ、とばかりに体をふるふると震わした。
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