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 それが紅葉にも降りかかるんじゃないかと、怖くて怖くて仕方ないのだ。…だが。


「…チッ、来い、俺様と食え。命令だ」

「ぁ…っ!」

「モ、ミジッ」

「お前らも許してやるんだからありがたく思え」


(手、…っ、手…!)


 スタスタと歩いていく桐の左手は、紅葉の右手首を掴んでいた。そのため思いっきり引っ張られ、小走りという形でついていくことになる。

 もうここまで来たら仕方がない。菖蒲は深い溜め息をつき、蓮見と一緒にそのあとを追った。


『『キャー長谷川様ーっ!』』
『かっこいー抱いてぇっ』

『ちょ、なんでアイツ…!』
『いやぁっ、そんなのに触らないでーぇっ』



「っ…!?ぁ…っ、」

「あ…?」

(こっ、怖い…!)

『早く離れ、』

「っせぇな退学にするぞブス!俺様は静かに飯が食いてぇんだ、うるさくする奴はでてけ!」


 キーキー喚きやがって、と最後にポツリと付け足しておく。だがそれは桐に怒鳴られ静かになった食堂にはよく響き、次の瞬間、何人かの子が泣きながら食堂を出て行った。



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