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せっかく入った食堂を一旦出、人の邪魔にならないところで待とう。…そう思い、壁際に避けたとき。
「あ゙?…何してんだてめぇら。俺様待ちか?」
ズボンのポケットに手を突っ込み、ゆったりと食堂へ向かって歩いてくる桐と鉢合わせた。長い足がスラッと伸ばされ、ゆったりとしているにも関わらず大きな一歩で近づいてくる。
その顔には余裕の笑みが浮かべられていた。
「お前らにされるとは思ってもみなかったぜ」
「…違いますよ。中がいっぱいなので待ってるんです」
「あ゙?いっぱい?んなもん誰かに譲ってもらえばいいだろうが」
「そんなこと出来ませんよ。…どうぞ、桐先輩はお先に」
(…ん?席空いてへんのに先いけるの?)
1人分だけなら空いてたのかな?そう思って首を傾げて2人のやりとりを見ていると、ふと桐と視線が混ざり合った。若干ドキッとしながらも、目で何事かと返してみる。
すると、微かどころか見て分かるほど楽しそうな顔をし、こういったのだ。
「なんなら、一緒に食うこと許可してやろうか」
「……?」
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