3
金髪の中にある爽やかそうな笑顔。たとえ彼の手がさり気なく腰に触れていようが、…若葉と重ねてしまっている紅葉には、頷く他ないのだ。
嬉しそうな…でも奥底では悲しいよ、寂しいよと訴える笑顔を椿に返し、もう少しだけ、と椿の背に手を回して抱きついた。
「おわ、紅葉チャン?」
「っ…」
「椿ズルーいっ」
「変態に汚されちゃうよ」
「……なんや分からんけど…エエよ。俺もいっぱいギューしたる」
「よく分かりませんが…抱き締めるだけにして下さいよ」
頭や背中を撫でる大きな手は、余計に若葉を感じさせる。椿の胸元に顔を埋めてしまえば視界からの情報は消え、心地のいい関西弁だけが耳に入ってくる。
ほんの少しの間そうしていた紅葉は、満足したのかそっと体を離した。それに合わせて椿の手は下へ移動し、ちゃっかり腰を触りだす。
(そら俺かて空気ぐらい読めるわ!)
「っ、……ふ…っ」
「んー?くすぐったいんか?ほれ、ほれっ」
「ふ…っ、っ…!(やぁー…っ)」
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