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 幼稚園は家から歩いて20分のところにある。だが紅葉にはまだそれだけの体力はついておらず、車で送ることにしたようだ。…面倒、というのもあるのだろうが。


(……やーっぱ紅葉、可愛すぎるんとちゃうか…?)


 門の前にいる子供たちを見てふとそう思う。それは親バカとかそういうものではなく、第三者から見てもそう思うだろう。正確には、可愛すぎるのではなく女の子らしすぎる、だが。

 他の子はまだあどけないながらも男の子らしさを持っているのに対し、紅葉はどちらかというと女の子寄り。スカートを履いても違和感が無さそうだ。


「っしゃ、頑張っていってくるんやで!」

「はーいっ!いこっ?」

「ワイはここまでや。こっから先は紅葉1人でいってようけ友達作ってくるんやで?」

「ふ、ぇ…わい、ひとりなん…?」

「な゙っ、ワイとちゃう、ぼ・くやっ」

「ぼく、ひとり?わかちゃは…?」


 若葉のズボンをキュッと握り、不安そうに見つめてくる瞳。うるうると濡れていて、若葉は思わずゔっと息を詰まらせた。出来ればこのまま連れて帰りたい…が。




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