幼稚園入園!
「服用意しとくさかい、べん…トイレ行っときぃ」
「と、いぇー」
はーい、と手をあげて紅葉は1人でトイレに入っていった。もうすっかり1人でトイレも出来るようになり、若葉はその間に幼稚園へ行く準備をする。入園式は昨日済ませたが、今日からは1人で行くことになるだろう紅葉に、若葉は不安を隠しきれないでいた。
……と、いうより、昨日自分たちを見る目が冷たいことにも不安を持っていた。もしかしたら紅葉を蔑んだ目で見てるんじゃ…と。だが実際は若葉が思いっきり避けられていたのだ。金のオールバックに白スーツ。ある意味若葉のせいで紅葉がイジメられる想像がすぐにつく。
「わかちゃ、ちーちーできたっ」
「おー偉いでぇ。ほな着替えよか」
「あいっ!」
「ほい、バンザーイ」
「ざーい…っぷ、くるひっ」
「おわ、スマンスマン」
ゲラゲラ笑いながら着替えをし、黄色のカバンを持たせてぼうしをかぶせる。もうこんなに大きくなったのかと感動してしまうが、若葉は涙をグッと堪えて紅葉を車に乗せた。
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!