7 「ほんっと、紅葉ってムダに椿先輩に懐いてるよね…」 「……え、なんなんその言い方。ちょお、最近キツゥなってないか?」 「そんなことないですよ。ただ…少し意外で」 「なーんや、嫉妬ちゃうんか。エエでー菖蒲チャンでも十分相手してやれるで」 「………」 「モミジ、見ちゃ……ダメ。変態、移る」 「……?」 クイッと顎を持ち上げて微笑む椿に、菖蒲は無言で手を払い、袖で強く拭いた。ランキングに入ってしまったときからずっとこうだ。中学のときは隙あらば触ってくるため、菖蒲の椿への警戒心が強いのも頷けるだろう。 「はぁ…見回りの途中なんでしょう?今までは何もなかったんですか?」 「特にな。ちゅーても桐もちゃんとやっとるのか分からんし…一葉チャンたちも暇しとるみたいやし」 「手伝うことはないようですね。少し安心しました…それじゃ、そろそろ…」 「ああ…っと、せや。…なぁそれで楽しめとるん?」 「っ……?」 「な、にを言い出すんですか急に…」 [*前へ][次へ#] [戻る] |