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 とはいっても20年間これできていたのだ。今更変えられるはずもなく、そのたびに言い直していた。若葉はどう育てていくつもりなのか、紅葉にはなるべく標準語を覚えさせようとしているらしい。

 以前、"ワイ" と喋った紅葉に相当なショックを受けていた。


「紅葉ーようけ食って立派な男になるんやでぇ」

「ん、あい!」

「ついでにほら、若葉てゆうてみ?」

「わかちゃ?」

「……わ、」
「わっ」

「かぁ」
「かー」

「ば!」
「ちゃっ!」

「……もうエエわ…」


 そのうち言葉をハッキリ覚えれば呼ぶようになるだろう。なんて考えながらもう一口オムライスを頬張った。ケチャップの多いとこに当たったのか、少し眉を寄せていたが。


「キャハハッ、ちゅーちゅー、ほしっ」

「ちゅー…水か。今オレンジ入れてきたるわ」

「うっ、ふぇぇ、わか、ちゃ…ぁっ」

「へ…な、何で泣いとんねん!」

「ひと、り、やぁ…っ」

「あー…そこやそこ。見えるやろ?」

「んく、うぅー」




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あきゅろす。
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