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──サワ…ッ
「っ…!」
「んー抱き心地エエし…肉付きもなかなか…」
「ぁ…っ、(フルフル…)」
(や…嫌や、変…っ)
背中を撫でていてくれた手は体中を這いずりまわり、さらにはお尻の形を確かめるように撫でてくる。腰を撫でられたときはゾク…ッとしたものが背筋を走り、紅葉は理解出来ずに目の前の服を掴み、額を押し付けて頭を振った。
髪の隙間から見える耳は真っ赤で、椿はイタズラに首筋をペロリと舐める。そうするとビクッと紅葉の体が跳ね、何なんだと顔を上げてきた。
「っ…破壊力バツグンやな…」
「っ…(やぁだっ)」
「んな簡単に信用したらアカンでぇ?男はみんな狼さんなんやから」
──チュッ
「っ…!///」
最後は唇に。真っ赤な顔で、不安げに見上げてきた紅葉の顔は、人の理性を壊すのに十分なほど魅力的だった。眉はへにゃんと垂れ下がり、目は潤んでいて、少し開いた唇は嫌だとぷるぷる震えていて。
正直、そのキスだけで踏みとどまった自分を誉めてほしいと椿は思っている。手を止めたのだって、これ以上やればもっとイイ顔になり、止まらなくなると思ったからだ。
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