お礼はセクハラ
そこを軽く触ると紅葉は痛いのか身をよじり、あたりをキョロキョロとしだした。それに対して椿が ん?と聞くと、手を耳に持っていき、"ケータイ" と口を動かす。
「……ああ、これやな。何があったんか、教えてくれるか?」
「…(コク)」
「ゆっくりでエエよ」
【学校から消えろっていわれて、叩かれた】
手慣れた手つきで文字を打ち、椿に恐々と見せる。それを見た椿がやっぱりなと頷くと、紅葉は次の文章を打ち、また同じように見せてきた。
【…ここにいたら、いけないんですか…?】
「あー…ちゃうねん。あれや、紅葉チャンがかわええから妬んでんねん。気にしちゃアカンよ」
「……、(コク)」
「ん、ホンマかわええわー紅葉チャン」
「っ…っ、」
気にするな、それは椿の言葉としてとったのかはたまた…。
どちらにせよ頷いた紅葉に椿はチュッチュと顔中にキスをしだした。くすぐったいのか笑顔を見せながら身をよじる紅葉に、少し邪な気持ちが出るのも致し方ないだろう。
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