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「っ…っ…」


 紅葉は体を震わし、音のする方を不安げに見つめた。そしてそこから現れたのは…金髪の男、椿だ。


「っかしいなー声したんやけど…」

「っ…ぁ…ぁ…!」

「ん?なんや…ケータイ?落としもん…誰かいるんー……って紅葉チャンやん!」

「っ…ふ…!!」

「わっ、ど、どないしたん!?今授業中やろ、なしてここに…」


 携帯を拾い上げたあとに紅葉に気づき、近寄ってきてくれる "関西弁" のその人に、紅葉は泣きながら抱きついた。金髪の関西弁というところに若葉を重ねているのかもしれない。

 紅葉はただ、自然に涙が止まるまで椿の服を離しはしなかった…。







「っ…、…」

「どや、落ち着いたかーお兄さんの腕ん中」

「…(コクリ)」

「あ、ホンマ?いやー照れてまう。で、どないしたん?まさか親衛隊か?」

「(コクリ)」

「まー来る思っとったけど…何されたん?……あーここ腫れてるやんけ」


 あぐらをかいた上に座らせていた紅葉の涙を拭き取りながら、頬が少し腫れていることに気づく。



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