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実際、親衛隊と呼ばれる人たちに接触するのは初めてなので、紅葉はよく分からずに再び首を傾げた。さすがの隊長様もそれには頭にキたのか、顔を醜く歪め、紅葉を見下ろす。
『あんた、邪魔なの。ぽっと出のくせに長谷川様に近づいて…いい迷惑なんだよ!』
「っ…!」
『図々しく生徒会室まで押しかけて何様のつもり?神崎君や永井君がそばにいてくれるのだってねぇ、お情けなんだよ、お・な・さ・けっ』
「っ、(フルフル!)」
『えーなーにー?何いってるか分かんなぁい。…はっ、そんなんじゃなきゃ相手にされるわけないじゃん』
もちろんそんなわけはないのだが、鼻で笑いながら軽蔑されたようにいわれ、紅葉はズキリと心を痛めた。泣きそうになるのを必死に堪え、自分の意見を伝えようと携帯を手にとる。
だが…、
──パシンッ
『人が話してるときに何?助けでも呼ぶつもりだったの?』
「(ちゃう…っ)」
『こんなものっ…バカみたいにぶら下げてんなよっ』
「ぁ…っ、!!」
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