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ミカ様
 行き先が理科室でないのは確かだ。階段をおり、ついには校舎を出て裏に回りだす。何とか抵抗を試みるも2人がかりで腕を押さえられては効果がなく、紅葉は大きな不安を感じながら校舎裏までやってきた。


『おっそい。待たせないでよ』

『ごめんなさいミカ様っ』

『でも、あの、ちゃんと連れてきましたっ』

『ふん、当たり前でしょ』


 そこにはもう1人、女の…男の子が待っていた。少しどころか結構キツめの猫目に、ムスッと尖った口。背はやはり紅葉よりは高いが、連れてきた2人に比べると可愛らしい容姿をしている。

 …のに残念だと思わせるのは、なぜだろうか。紅葉は勢いよく押されて地面に転びながらも、その人を見上げ、首を傾げた。


『まさか…ミカ様を知らないとかいわないよね!?』

「…(フルフル)」

『なっ!?この、ひじょ、』

『…まぁまぁ、来たばかりなんでしょ?僕は3年で長谷川様の親衛隊隊長、ミカ。よーく覚えといて』


(親衛隊…って、えと、過激なファン…やったっけ?)



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