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ねー、と顔を見合わせる一葉たちに、蓮見もそうだと無言で頷く。桐にもそれは十分わかっているのだが、自分が望んだものじゃないのに、なぜ面倒を見なきゃいけないのかが分からないのだ。
チッ、と大きな舌打ちをし、みんなに責められた桐は先に部屋を出て行った。椿も、ニヤニヤしながらそれに続く。
「ほんと、椿もいー性格してるっ」
「一葉は愉快犯じゃないかって思うときがあるよぉ」
「あーヤダヤダ。…それじゃ菖蒲、三葉たちも先に行くねっ」
「……え、あ、はい」
「紅葉くんとのご飯はまた、学園が落ち着いたらお願いしよっかな」
ニコニコと笑い、一葉たちも先に出て行く。ここで一緒に行けばどうなるのかが目に見えているための、正しい行動だ。やっぱり先輩なんだな、と菖蒲は感心し、2人にお礼をいって紅葉を起こすことにした。
「っ…ふ…?」
「おはよ紅葉、遅くなってごめんね?ご飯、行こっか」
「ぁ…(コク)」
「うん。明日からは蓮見のそば、離れちゃダメだからね」
「(コク)……」
「………守る…」
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