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 だがそこは紅葉も譲らない。コップを握り締め、うー…っと桐に訴え続ける。その目はコップの熱さによって次第に潤んでいき、何やら思いついたらしい桐はニヤリと笑い、顔を近づけた。


「……ありがとな…」

「っ──!?///」

「クッ、…おら、さっさと戻れ」


 耳元でイヤらしく囁き、おまけにそこは軽くキスを。紅葉は顔を真っ赤にし、サッとそこを手で押さえた。カップはいつの間にか桐にとられている。


(うぅ…あ、ぶないんや、この人はぁ…っ)


 この前だって平然とキスしたし!そう解釈をした紅葉は、トレイを持って慌てて椿の方まで逃げていった。その姿をみんなが…桐が面白そうに見ていたとは知らずに。


──コト


「お、おおきになー紅葉チャン♪」

「っ…」

──"おおきにー紅葉。さっすが紅葉やわ"


「……紅葉チャン?」

「っ…(うんっ!)」

「おぁ、強烈や…」


 花が咲く、といった感じだろうか。目の前で見せつけられた満面の笑みに、椿は手で顔を隠し、密かに耳を赤くした。若葉とかぶる椿に、紅葉はもう懐き始めているらしい。



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あきゅろす。
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