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そして紅葉は小さくだが頷いて、口パクで残るといった。
「っ…モ、ミジ…」
「クッ、バカが。チビもんなに俺様といたかったなら始めからいえばいいものを」
「っ…!」
(ちゃうもん、そんなんやないもんっ)
紅葉が残ると決めたのは、菖蒲の仕事姿が見たかったのと、せっかくだから少しでも一緒にいれたらなぁ…と思ったからだ。間違っても桐といたくてではない。
ぷくっと頬を膨らまし、ベーッと桐に舌を出してみせた。
「っ…ギャハハ!紅葉チャンナイスやっ!き、桐にそないなこと出来るやなんてっ…ぷくくっ」
「っ…?」
「アーハハ、エエもん見せてもろたわー。永井、残るかは好きにしぃ」
「あ゙?何勝手なこと…」
「エーやん。その代わり…残るんやったらちーと手伝ってや」
「……は?ふざけ、んな…」
「エエんやで?1人で帰っても…」
ニヤニヤと笑う椿に、桐もニヤリと蓮見を見る。仮にも中学のとき会長を務めていた蓮見だ。菖蒲ほどでなくても使えるだろうし、そうすれば自分たちが少しラク出来る。どうせそんなところだろう。
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