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どうするの?
 というか音にならなかっただけなのだが、その無音を桐はいいように使い、抱きかかえられている紅葉のお腹に手を回して引っ張った。…が、蓮見も離すわけがなく、紅葉は不安定な体勢になってしまう。


(あわ、わ、落ちる…っ!)

「ちょ、2人とも紅葉が…っ!!」

「コイツが離しゃいいだけだ」

「………お前、が」

「っ──!っ、…っは!」

「「!?」」


 僕は人形じゃない!そんな勢いで紅葉はジタバタと暴れ、驚いた2人の拘束から逃れ、菖蒲に抱きついた。怖かった…と額を押し付ける様は可愛らしいが、どちらも選ばれなかった2人は不満そうだ。

 そんな様子を、椿はゲラゲラ笑いながら一葉たちと眺めていた。


「全く…大丈夫?紅葉…」

「(…コク)」

「帰りたい?それとも…ここに残って待ってる?」

「(ぅ…)」


(……あれ、悩むんだ…)


 帰ると即答すると思っていたのは菖蒲だけでなく蓮見も同じで、少し悩むその様子に少なからずショックを受けたようだ。しかし桐や椿たちはこれをチャンスだとばかりに、もっと仲良くなりたいだの、お菓子があるだのと餌をまく。



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