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「はぁ…紅葉、今から生徒会室いこうっていってるんだけど…紅葉はどうしたい?」
(生徒会室…って、近づいちゃアカンとこでしょ?)
「(フルフル…)」
行かないよ、という意味を込めて首を横に振ると、桐は不機嫌そうな顔で紅葉の手を離した。…が、2人がホッとしたのも束の間、桐は紅葉を肩に担ぎ上げ、教室を出て行ってしまうではないか。
始めから "行かない" という選択肢はなかったのだ。菖蒲は呆れたようにため息をつき、自分と紅葉のカバンを持ってDクラスへ向かうことにした。
「っ…!っ…!」
「って、暴れんじゃねぇ落とすぞあ゙あ゙!?」
「(ピタッ)」
「……にしても、軽いな。チビだからか?」
「っ──!」
一方、肩に担ぎ上げられた紅葉は、ほんの数秒の抵抗のあと、大人しく担がれていた。2mの高さはないといっても固い廊下に落とされたら痛いだろう。それを想像して動きを止めたが…チビ発言には一発背中を叩いていた。
といっても大した力もないため、桐はただ手が当たっただけと受け取ったようだが。
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