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 そんな文句をいいながらも、ちゃんと消毒までしているほ乳瓶にミルクを作っていく。本と母親のアドバイスのおかげか、ミルク作りに失敗したことはまだないようだ。…が、オムツ替えでの失敗はいうまでもない。


「っしょ…っと。あーワイ何でこないなことしとるんやろ…」

「んく、んく…っ、はふっ」


 首をしっかり支えてミルクを与える。文句しか出てこないのはご愛嬌だが、こうして見ると若葉に子育てを任せたのは正解だったのかもしれない。

 組長はそれを見抜いたのか、はたまた別の理由があったのか。もしかしたら偶然若葉だったのかもしれないが、美味しそうにミルクを飲む紅葉を、若葉は苦笑い気味に見つめていた。


──ヴヴヴ、ヴヴヴ


「んぁ?電話……おわ、組長やんけっ」

『……よぉ、元気しとるか、椎名』

「まぁ…ボチボチですわ。あの、どうしたんやろか?……あっ、ワイにも仕事をっ!?」

『ちゃうわ、仕事は赤ん坊が保育園通い出すころからやらしたる』

「え、えぇ…んな殺生な…」

『…そういう思てな、まぁ面倒見ながらでも雑務は出来るやろ。2・3日に一回人遣わすさかい、家でやってくれや』




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あきゅろす。
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