[通常モード] [URL送信]

あー…弘樹からすれば副会長だもんね。そこにオレと辰巳。
オレなんかより弘樹の方が可哀想じゃないか。


オレは、何を思っていたのだろう。自分は可哀想だ、なんて…。



▼辰巳side

贔屓目もあるかもしれねぇが、瑛太は綺麗な顔をしている。
それは初めて会ったときから変わってねぇ、俺の瑛太に対する印象だ。

だがそれは、髪をあげてるときに限る。髪をおろしゃあ逆に印象は悪くなる。

暗い、だせぇ、オタクっぽい。
目が見えねぇだけでこうも違う。


……だから、今まではこんな視線なんて浴びたことなかったんだろうな。



『……っ』



息を詰まらせるようなそれに、見て明らかなほど青くなる顔。
チョウのときにもあった視線だが、ここではその数と強さがハンパねぇ。

俺でさえ気分が悪くなるんだ。



『気にすんな、ああいうのはシカトが一番だ』



そういって瑛太の手をとってやる。カタカタと震える手に、こっちを見てる全員殴り倒してぇ気持ちになった。


俺の瑛太をそういう目で見んのは許さねぇ。

つか…ああ、こんな思いさせるくれぇなら、せめて髪だけでもおろしとくべきだったか?
俺が来ちまったせいで、ツラい思いをさせちまったか?


だが瑛太はいった、
俺のせいじゃねぇと。

くく、逃げてぇって顔してるのによ。



………ま、幸か不幸か、クイーンが来て助かったのも事実だな。敵相手に癪だが、瑛太が、瑛太の気持ちが落ち着くならそれでいい。

それにコイツ、瑛太目当てじゃなさそうだしな。



* * *



「っ……おい美鶴、ざけんじゃねぇよ!」


『『きゃああっ』』
『佐々木様を朝から見れるなんてっ』


「うっせぇ黙れ!…部屋にいねぇと思ったらこんなとこで…分かってんのか!?」



ソイツは突然現れた。
朝から怒鳴り声をあげて、少し焦った様子で。


でもキングの登場にオレと辰巳は顔をしかめ、目を合わせた。

何しにきたんだ?
さぁな、知るか…みたいな。



「横にいるのはcolorsの幹部。もちろん分かってるよ」


「そうじゃねぇ!俺がずっとコイツだけを想ってきたの知ってんだろうが!なのにヌケヌケと一緒にメシ食いやがって…!」




[*前へ][次へ#]

6/65ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!