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そういいながら、意識せずに弘樹の背中を叩いた。それはつまり、オレは弘樹にはもう普通に接してるってことだ。
そう、辰巳の前で、普通に。
「っ…瑛太、大丈夫か…?」
「あっ…ぇ、と、ビミョー…?」
「何いってんだよ、ちっとは進歩したじゃん。手ぐらいは……え、まだダメなのか…?」
「………ごめ、ん」
ごめん辰巳。
あなたに触れるのはまだ怖いんだ。
弘樹なら平気なのに、辰巳は少し怖いんだ。
きっとそれは、紫烏に対する恐怖じゃないなにかで。
目を伏せて小さく謝ったオレに、辰巳はとてもツラそうな顔をした。
オレが、そうさせた。
(うっそマジ…傷広げちまった!?)
「気にするな。少しずつ治ってきてるんだろ?」
「うん…はは、レイジに説教されちゃって」
「……あ゙?」
「目の前にいるのは誰なのか、ハッキリさせろ…ってさ」
今オレの目の前にいるのは、
愛しい愛しい辰巳。それ以外の誰でもないんだ。
なのに、なのになのに…っ!
「おら、メシ行こうぜ」
「あっ……うん。お腹空いちゃったよ…」
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