2 改めて、オレの自己紹介をしようと思う。あれから月日は流れてもう高3の夏、2学期が始まろうとしているんだ。 オレ、高見澤瑛太は本堂学園の3年。受験に向けて大切な時期ではあるけど、colorsの副総長・黒蝶なんてものもしてる。 ケンカ? ……まぁ、得意ではない、けどケンカするためだけのチームじゃないから。 「ふぁ…っ」 眠そうな顔が目の前に。 ……あ、鏡か。 それに眠そうな、じゃなくて事実眠いし。 鏡に映る自分の顔を見て、毎朝習慣のように右頬を触る。 そこには、大きな傷痕があるんだ。 オレはこれを醜いとは思ったことはない。むしろ、誇らしいと思っている。 ………うん、これについてはまた今度ね。 ──バシャバシャッ 「………ほい、タオル」 「ぇ、あ…ありがと。はよ、弘樹」 「おー休みも今日で終わりだな…やんなるぜ」 「ほんと…今日はゆっくりしよ」 明日からもう2学期。 それを思うと憂鬱で仕方ない。 ま、家にいるよりはいいんだけど…。 [*前へ][次へ#] [戻る] |