15 アイツのことを蝶々と呼ぶのは紫烏だけだ。つまり、ジョーカーも紫烏。 何が目的なのかは定かじゃねぇが、瑛太が狙われてるとなりゃ話は別だ。 だが、ただいうだけじゃ紫烏はバカにしてはぐらかすだろう。それに仲間から外すだけじゃつまらねぇしな。 「そこで考えたんだけどね、体育祭…仮装するハロウィンパーティーを使って何か出来ないかなって」 「何かって…誘き出す、とかか?」 「うん。あっちが騙してるなら、こっちも騙してみたりして」 敵の力を借りるのはどうかと思ったが、ニコリと笑ったクイーンからは紫烏への怒りを感じた。 まぁ、コイツ頭は回るっぽいしな、どこぞの王様より。 レイジも利用されそうになったことを理不尽そうにしていたが、結局は関与しねぇらしい。 ケンカになって自滅しろとでも思ってんだろ。 「じゃあまずは…」 「つか…ちょっと待て、お前がいる意味あんのか?」 「あ゙?何いってやがる。俺の黒蝶のピンチだぜ?」 「キングは僕たちのトップだからね、いてもらわないと困る…かなぁ?」 「……おい、どういう意味だそれは」 「とりあえず僕たちはジョーカーの情報に乗ろうと思うんだけど…」 綺麗な顔してこえぇな…同じ綺麗でも瑛太とは大違いだ。 ま、顔も瑛太の方が上だがな。 とにかく、俺たちはアイツを誘き出すための作戦を練った。 colors総長としてけじめをつけるために、瑛太をアイツから守るために、俺はどんなことでもやってやる。 * * * 「……オレをどうするつもりだよ…」 「オレ"たち"ッス!」 「いや、放課後話がしたいって…あー…会長にいったらさ、もー仕事しろって怖くて。あっちが終わるまでちょっと手伝ってくんね?」 「「……はぁ?」」 いきなり何を言い出すかと思えば、生徒会の仕事を手伝え? 何いってるんだとジャックを見たけれど、至ってマジメらしい。申し訳なさそうな顔で生徒会室の前に立ち、やっとオレたちの腕を放した。 辰巳…今、何話してんのかな…。 [*前へ][次へ#] [戻る] |