12 ならいいが。 前田は瑛太の変わりようを一番近くで見てた奴だからこそ、変な感情を持たれんのが怖いんだ。 中身を知ってりゃ、それだけ本気になりやすいからな。 それから朝食も食って教室に移動したはいいが、腹がいっぱいになってより眠気が増したらしい。 俺の上に乗ったとたん動きが鈍くなった。かけてきてる体重も少しずつ重くなっていく。 まさかとは思うが…、 「うわ、エータ寝てんじゃん。休みゃあいいのに」 「……チッ。おい、ちょっと瑛太支えてろ」 「へっ?…あ、おうっ」 「てめぇら見てんじゃねぇよ!」 ((いやだって黒蝶の寝顔ヤバいだろ…!!)) 瑛太の体を一旦前田に預け、着ていたブレザーをかけてやる。 ついでに寝顔が見えねぇように顔の向きも変えとくか。 「……ん…」 「今までマジメで通してきたからなー…学校で寝るなんて初めてなんじゃね?」 「そうか、悪いことをしたな」 「……でも、今すっげぇイイ顔してんだ。タッツー来てくれてありがとな」 「……惚れんなよ」 「惚れねーよ!第一俺は…っ…」 [*前へ][次へ#] [戻る] |