27 ──ざわ、ザワザワッ 「……エータッ!」 「っあ、弘樹!こっちっ」 うわ、いつの間にチャイムが鳴ったんだろう。 気づかないうちに授業は終わったみたいで、たくさんの人と弘樹が食堂へやってきた。 大声で呼ぶと弘樹だけじゃなく他の人もこっちを見、辰巳を指差してキャアと声をあげた。 ああ…かっこいいもんね、辰巳。 ……なんか嫌だな。 「辰巳、紹介するね。ルームメートでクラスメートでもある前田弘樹」 「おぅ、エータから話は聞いてるぜcolors総長さん。俺のことは好きに呼んでくれっ」 「で、こちらが原辰巳」 「俺も話は聞いてる。一応よろしく頼む、前田」 「タッツーって呼んでいいか?つか…んだよエータ、あんな悩んでたくせに本人来てんじゃん!」 「ちょっ、い、いうなよバカ!」 「何のことだ…?」 「それがさー…もがっ!!」 弘樹の奴、メールでオレがどれだけ悩んだかいうつもりだっ…! 自分でもいったけど他人にいわれるのは何だか気恥ずかしく、慌てて弘樹の口を塞いだ。 [*前へ][次へ#] [戻る] |