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「クスクス、やっぱり知らなかったんだ。可哀想にねぇ」


「うるっ…さ…っ」


「泣くの?泣いちゃうの?いーよ、俺の胸貸してあげるしさ、蝶々は特別にタダで」


「いらなっ…いらない、黙れよ!」


「……あー…そういう口の聞き方、嫌いだなぁ」


──ビクッ



カタンと音がして、目の前のコイツはフラリと立ち上がった。

笑ってるようで、笑ってない顔………違う、
お仕置きが出来ると嬉しそうなのを、隠しきれてないニヤケ顔。


だから、怖い。
オレはアンタの何なんだといいたくなる。

オレは弱いから、いえないのだけど。



「俺の胸で泣くよね?蝶々…」

──カランカラン


『………紫烏か?』

「……チッ、おひさーお馬ちゃん。俺の名前覚えてたんだね、偉い偉い」

『…………黒蝶?』


「っ……キン…キンッ」


「うわーうぜ、俺帰る。今日は我らが総長狼さんはこなさそうだしね、リーダーのくせに」



リーダーのくせに、なんてコイツにいって欲しくない。

滅多に顔出さないくせに。
アンタは情報しかないくせに。
辰巳の悪口なんていう資格ない。




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