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「相変わらずキレーな黒髪してんね。女の子みたい」
「っ、触んなよ」
「お、やーっと普通に話した。喋れたんじゃん、俺ビックリ」
「なんなんだよ…アンタはっ」
オレの髪を触ってクスクス笑うコイツ。
それが嫌で少し睨みつけたら、笑顔のまま…オレの髪を鷲掴みにした。
「い゙っ…!」
「あーごめん、カツラだと思ってさ。痛いよねーヨーシヨシ」
「っ…やめ…」
「……そうそう、俺、チョーいい情報持ってんの。蝶々、聞きたくなぁい?」
「ひぃ…っ」
撫でていた頭を自分の方へ引き寄せたと思ったら、オレの耳元でわざと息を吹きかけながらこういった。
ニヤニヤした顔が、
もう怖くてたまらない。
白虎さん、早く帰ってきて。
キン、今日は来ないの?
………辰巳、オレ今、困ってるんだよ?
「い、らな…っ」
「狼さんのことなんだけどね」
「えっ、な…何?」
「んー…ほんとに聞きたいの?それが人に物聞く態度かな?」
「っ……教えて、下さい…」
「うん、じゃあまずはほっぺにチュー。これが基本って習わなかった?」
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