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へいへい、とツマラナそうにケータイを返してくれた弘樹。
まぁ…話の途中に悪かったとも思うけど、オレは何よりもこっちの方が大事だし?
やっとご飯を食べ始めた弘樹を見て、返事の続きを打ち出した。
よし、こんなもんかな。
それにしても…編入生かぁ。
それが辰巳だったら素敵なのに。
◆
「こんにちはー」
「おや、いらっしゃい黒蝶。何か飲みますか?」
「え?あー…っと、ミルクティー」
今日は土曜日だからってことでcolorsのところに来た……けど、カフェには白虎さんしかいなかった。
少し寂しくなりながらカウンターに座って、頼んだミルクティーに口をつける。
うん、やっぱ白虎さんのは美味しいな。
「みんな来てないんだね…」
「ええ、時間もまだ早いですしね」
「……そっかぁ…」
「ふふ、灰狼に会えなくて寂しいですか?」
「えっ!?な、なんでっ?!」
「そういう顔してましたから」
うわ、それは嫌だな。
前は顔に気持ちが出る、なんてことなかったのに。
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