5 多分、弘樹はオレのことを思ってそうしてくれてるんだろうけど。 ……友達たくさんいるし。 でも弘樹に甘えさせてもらってるオレもオレ。 空いてる席を探し、何を食べるか先に決めることにした。 「………相変わらずうっさいな、ここは」 男子校にも関わらず、女のような高い声も聞こえてくる。 バイとかゲイが多いし、それをどうこういう訳じゃないけど…少し静かにして欲しい。 理事長が代わって5年。 親衛隊とか色々してるみたいだけど…5年で簡単に変わるもんじゃないみたいだ。 あの人にはこれからも頑張って欲しいな。 「おっまたせー!」 「……あ、お帰り。で、何だった?」 「んー?なんかさ、今日の午前見たことない奴らが学校見に来てたらしくて」 「へー」 「それがかっこよかっただの、編入生じゃないかだの噂が飛び交ってんだと」 メニューを見ながら弘樹がそう教えてくれる。相変わらずここの人は美形に目がないらしい。 オレはどうでもいいし、オレに被害がないならそれで。 [*前へ][次へ#] [戻る] |