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改めて、オレの自己紹介をしようと思う。あれから月日は流れてもう高3の夏、2学期が始まろうとしているんだ。
オレ、高見澤瑛太は本堂学園の3年。受験に向けて大切な時期ではあるけど、colorsの副総長・黒蝶なんてものもしてる。
ケンカ?
……まぁ、得意ではない、けどケンカするためだけのチームじゃないから。
「ふぁ…っ」
眠そうな顔が目の前に。
……あ、鏡か。
それに眠そうな、じゃなくて事実眠いし。
鏡に映る自分の顔を見て、毎朝習慣のように右頬を触る。
そこには、大きな傷痕があるんだ。
オレはこれを醜いとは思ったことはない。むしろ、誇らしいと思っている。
………うん、これについてはまた今度ね。
──バシャバシャッ
「………ほい、タオル」
「ぇ、あ…ありがと。はよ、弘樹」
「おー休みも今日で終わりだな…やんなるぜ」
「ほんと…今日はゆっくりしよ」
明日からもう2学期。
それを思うと憂鬱で仕方ない。
ま、家にいるよりはいいんだけど…。
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