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ゴロゴロと転がり、キングが距離をとるために蹴って立ち上がる。
それに辰巳も続き、2人はまた睨み合った。



「っ…ああ、もう…っ」



あの目、かっこよすぎる。
体の奥から湧き上がってくるよこしまな気持ちを抑えるために、自分の体を抱き締めた。

オレはその鋭い目に、とうの昔に射抜かれちゃってるんだ。


はぁはぁと荒い息を整える2人。顔は所々傷ついていて、2人して口の端から血を流している。
服で見えないけれど、その下もケガがいっぱいだろう。

オレたちの、いわゆる青春の証。こんなことをいうのはこっぱずかしいけど、でもきっとそういうものだ。



「はぁ…次で決めてやる…!」


「チョウは渡さねぇ…っ」



ボロボロの体で2人はお互いへと走り出す。そして、右の拳に全てを託し、振り上げた。

そこからは、まるでスローモーションのようだった。



相手の顔へ一直線に向かう拳。

2本の腕はすれ違い、そして頬に当たる。

グッと歪む顔からは痛みよりも決意が伝わってきて、

次の瞬間には2人とも倒れていた。


シーンとなるオレたち。
呻く2人。

……立ち上がる、辰巳。



辰巳。



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