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さっきのオレたちのであんな怯えてたんだ。これからやるものを弘樹に見せることは出来ない。
キングの提案にみんなで賛成し、クイーンに連れられて弘樹はこの場を立ち去った。
ここに残るのは当人たち2人と、この勝負を引き起こしてしまったオレ。
ジャックにシロ。
…そして力を見極めにきただろうレイジ。緊迫した空気が、息苦しい。
「約束、忘れてないよなぁ?」
「当たり前だ。そっちが負けて完全に手を引いてくれんだろ?」
「負けねぇよ」
「渡すつもりはねぇ。チョウを守んのは俺1人で十分だ…!」
同時に走り出す2人。
互いの拳はギリギリで避けられ、体勢が整う前に次の技が繰り出されている。
オレとクイーンとは全く違う、パワーのぶつかり合い。
離れているオレたちにまで、ぶつかって出来る風が吹き付けそうな勢いだ。
──シュゴッ!
「ぐぁ…っ!」
「っあ…やった、」
……っと、あんまり口に出すのはよくないかな。
今は辰巳の右足がキングのお腹に入ったところ。防ぎきれなかったキングはそれをモロに喰らい、足をふらつかせた。
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