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「っ…チョウ、無理だけはすんな!」


「分か…てる…っ」



きっと経験の差だろう。
それでも瑛太は自分の身を守りながら、クイーンに攻撃を繰り出す。

何考えてるか知らねぇけど…見てるこっちがツレェよ、バカやろう…!



「そろそろ…っ…終わり、かなっ」


「そ、かも…ね…っ」



クルッと回りながら再び回し蹴りを繰り出す瑛太。
クイーンはそれに少し反応が遅れ、絶好のチャンスだ。

いけ、そのまま入れ…っ。



「ゃ、やめてくれよもう…!!」


……前田の悲痛な叫び声が、聞こえた気がした。



* * *



経験の差、体力の差。
ギリギリ勝てると思っていた勝負も、怪しくなってきた。

冬だというのに汗が吹き出してきて、息も追いつかなくなってくる。


嫌だ、負けたくない。
勝って誉めて欲しいのに…っ!



「っ……はぁ!」


──シュ…ッ



辰巳がよく綺麗だといってくれる回し蹴りを繰り出す。
するとクイーンの反応が少し遅れ、これはイケる…と思ったときだ。



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