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逆にレイジは建物の壁に寄りかかり、タバコをくわえながら影に隠れてこっちを見ている。
ああ、いやだ。
まるで品定めをされているみたいだ。
「……チョウ、大丈夫だ。いつものようにやってこい」
「あ…うん、いってきます」
「ああ、早く帰ってこいよ」
「ふ…ふふ、その言葉通り早く帰してあげますよ」
………不気味だ。
人じゃない、その白く浮き出るような目も微笑みも。
でも不思議だ。
怖いとは思わない。相手がクイーンだから?そこは分からないけど、勝てない相手でもないはず。
オレに出来ることをやろう。
オレでも出来るってとこを、辰巳に見てもらおう。
「……よし、よろしく、クイーン」
「ええ、こちらこそ」
辰巳によくやったって誉めてもらうために、頑張ろう。
▼辰巳side
クイーンはどっちかっつーと頭脳型だ。考えて考えて、最善最短の方法で相手を倒していくタイプ。
チョウはどうだ?
やってる最中に頭を使うわけでもなきゃ、俺らみてぇに反射や実践力で動くわけでもねぇ。
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