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すると食堂がまた騒がしくなる。かっこいいだの、抱いてだの、今は…だの。
なんとなく誰かは予想がついていたけれど、あえてシカトして4人でお茶をしていた。
「あっれ、棗さんだけじゃなくて灰狼たちもいるぜ!」
「……あ゙?」
「っひゃーもしかして灰狼と黒蝶、仲直りしたんか?」
「おかげ様で」
「……で、棗さんと前田先輩はうまくいった感じ?」
「うん、そうなんだ」
「ほぉ、羨ましいぜっ」
オレたちの後ろに回り首を傾げ、弘樹とクイーンの後ろに回ってまた首を傾げる。
ジャックの緑頭があちこちに動いてちょっとウザい。
……けど、いわれてることは少し嬉しいかもしれない。
オレたちって、羨ましい関係…なのかな。
「チッ、なんでこんなとこで食ってやがる。黒蝶だけ置いて帰れ」
「あ?置いてけるか。帰るぞ瑛太」
「ん、うん」
ギュッとなんの迷いもなく握られる手に嬉しくなってしまい、つい微笑んでしまったのを俯くことで隠した。
けれど反対の手を誰かにとられ、何だろうと顔をあげてみる。
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