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……知らなかった。
心友のことなのに、何も。
「…君の友達だってこともいいガードになったんだろうね。黒蝶という名が、弘樹君を少なからず守ってた」
「え…オレの、名前が?」
「仲がいいってことは周りが一番よく知ってたはずだからね」
「うぉマジか。ありがとなエータ!……と…な、棗も」
「オレ…何もしてないよ。全部、きっと、クイーンが…っ!」
「瑛太、お前もちゃんと守ってるんだ。んな顔するな、前田が悲しむだろ」
「ぁ……うん、あり、がとう…」
オレなんかの名前で弘樹を守れてた?もし、本当にそうだとしたら嬉しい。
クイーンがよく動いてたっていうのは分かってるけど、嬉しいんだ。
守ってもらってばかりのオレが、友人を守ったなんて。
つい自然と頬が緩んでしまったのはご愛嬌。
クイーンに連れられて生徒会の席に4人で座ることになり、横に座りたい派のクイーンによってオレも辰巳の横に座ることになった。
オレとしては食べるときは目の前にいてくれた方が嬉しいんだけどな…話しやすいし。
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