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だって、それじゃあこれも仕方ないじゃん。
虚しく弘樹の雄叫びが廊下に響いたところでエレベーターもやってきて、オレたちはそれに乗り込んで食堂へ向かった。
……うん、想像以上に凄くなったけど。
『『イャアアアー棗様ぁっ!!』』
『何アイツッ』
『うぉおおータチだったのかぁあ!』
『いや、それでも抱かせてくれぇっ』
『……おい、あの2人…』
『仲直り…したのか?』
『やーん、ちょっと狙ってたのにぃ』
『でもやっぱあのお二人は一緒じゃないと…』
「……俺らの方は…安心だな」
「うん、でも弘樹が危なく…」
「ふふ、大丈夫だよ。僕が弘樹君に初めて話しかけた時点で手は打ってあるからね」
「「え!?」」
「だって弘樹君、何も苛められたりしなかったでしょ?」
「……あー…まぁ…」
ああ…なんだ、そのときから弘樹に本気だったんだ。
確かに弘樹だと生徒会に近づいたらイジメの対象になる。
でも、それがなかったってことは早い内に手を打ってあったんだ。
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