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「あいつらもついにか…」
「うわー…オレ、どんな顔して弘樹と会えばいいんだろ…」
「……普通でいいだろ」
「えーでもさぁ…っ」
「俺らんときも普通にしてくれただろ。気にすんな」
「……そっか。それもそうだね」
そんなこと一々気にしてたらこの学園ではやっていけないしな。
そう思ったらなんかスッキリして、辰巳と一緒に2人きりの午後をゆっくり過ごすことが出来た。
サボリの癖にとか関係ないしね。
……だってオレは、辰巳がいるなら何をしてても迷わず彼のもとへ行くよ。
だから、そのときは、
手を差し伸べてくれますか…?
◆
──きゅるっ
「……ぅ…///」
「クッ…そろそろメシ、いくか」
「う、うん…あはは、ハズ…」
「可愛いじゃねぇか。ほら」
差し出された手に、お腹を押さえていた手を重ねる。
すると辰巳の指がスルスルと動いて、オレの指に絡まってくるんだ。
恋人繋ぎ。
恥ずかしくて、暖かくて、嬉しいもの。オレはそれを受け入れる。
振りほどくことなんてもったい無さ過ぎてムリ。
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